breath
「この景色、夜景で見るときっと綺麗ですよね」
「だろー?」
それから5分ぐらいで目的地に到着
山頂付近にある、山荘のようなホテル
外装は古くて格式がある趣の建物で、奥にはチャペルがあるようだ
中に入ってみると、外装とは全く違い近代的な内装が施されている
その建物のギャップに驚いてしまう私
自然と口がポカンと開いていた
樹はホテルの予約をしていたようで、普通にチェックインしてる
今日はクリスマスで、フロントにはカップルが溢れかえっていた
こんなに僻地にあるのに人気があるこのホテル
ば意外だけど週末のクリスマスイブの今日、この風景は当たり前なのかもしれない
ルームキーを受け取り二人で部屋に向かう
カップルらしく樹から手を繋ぐ
「アメリカにいる時に予約をした。あの時のは俺は不在の2年間に明日美の周囲にこんなことがあったなんて知らなかったから何も考えずにこんな行動が取れた。現実を知ってからキャンセルをしなかったのは仕事に忙殺されて忘れていたからから」
樹は離れていた2年間もそれなりに私の事を思ってくれていた
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