Vanilla

「はぁ……」


朝から私は盛大な溜め息を溢す。

あの後、朝永さんは私に全部アイスを食べさせた。
食べさせた後はあっさり私から退くと、何もなかったようにケロッとソファーに座ってテレビを観ていた。

今日の朝もいつも通り。
電車から降りると恋人役の朝永さん。

朝永さん、私の事をどう思っているの……?

確かめてみたい。
でも怖くて聞けない……。

昨日あれから私はこれの繰り返し。
今の私は朝永さんの心の中を覗きたくて仕方ない。

恋というものがとてつもなく厄介なものだということを初めて知った。


「おはよ、つぐみ!あの後どうなった!?」

モヤモヤしながらロッカールームで着替えていると聞こえてきた声に振り返る。
隣には今日も元気な愛佳ちゃんがいて、羨ましくなる。
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