Vanilla
先週で十月になった。
服は全部燃えてしまった私は買い揃えなくてはならない。
出費がかさむ事に憂鬱になる。


支度を終えた私はオフィスの自席に着くと、隣に居た杉森さんはあの告白は無かったかのように挨拶した。
なので私も何事もなかったかのように挨拶を返した。

仕事が始まると気を引き締めた。
昨日はミスを指摘されてしまったので仕上げた書類は入念にチェックした。

今日は愛佳ちゃんと昼食を食べた。
昨日のメンバーでは二度と食べたくない。


「つぐみ、帰ろ」

甘い顔の朝永さんを見ても、もう無駄な期待はしないと学習した私。

でも手を繋がれると、鼓動を早くさせる私は馬鹿だ。


マンションに帰るといつも通り夕飯の準備。
夕飯を食べると朝永さんはいつも通りお風呂に行った。
私はわざと掃除をしていた。
朝永さんがお風呂から出てきた後も。
今日はお風呂の時間を遅く入るつもりだから。
昨日朝永さんがアイスを今日も食べさせるなんて言ってたから。
無意味かもしれないけれど抵抗したいから。
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