Vanilla

朝、朝永さんに家を出ると話したら、「あっそ」なんていつも通り素っ気なく返ってきた。
引き止めてくれるわけはないから期待はしてなかったが、やはり凹んだ。

そして再認識した。
哀れな恋だと。

だからこれ以上バカをみたくないから朝永さんとの接触は避けたい。

だけど置いてもらえたことには感謝している。

最後に朝永さんに恩返しはしたい……

が、


「……でも私、何も用意してない……」


お祝いしたいけれど準備ゼロ。
朝永さんの趣味すら知らない。

「プレゼントは私、って言えば良いのよー！」

前半をブリブリした声で言った後、クネクネして盛り上がり始めた穂香さん。

「きゃあ！流石穂香さん！ナイスな事思い付きますね！」

愛佳ちゃんまで。