Vanilla
食材を買うとマンションに帰った。
明日のためにキッチンで早速ハッシュドビーフ作り。
牛肉も国産にして奮発した。

作りながら、朝永さんの反応を考える。

美味しいって言ってくれるかなって。
喜んでくれるかな。
またナチュラルに笑ってくれるかな。

反応を予想しているとあっという間に作り終えた。

今日の夕飯はハッシュドビーフを味見するために先に食べさせてもらった。
味は美味しくて、お肉を奮発して良かったと思った。

その後はお風呂に入り、冷ましておいたハッシュドビーフを鍋ごと冷蔵庫に入れるとソファーに座る。

まだ朝永さんは帰って来ていない。

時計の針は二十二時を過ぎた。

連絡すらない。

少し心配になってきたその時、お昼の穂香さんの言葉が過ぎる。


『誕生日に彼女のつぐみちゃんと過ごさないの?』
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