Vanilla
「ふわぁ……」

色々考えていたら欠伸が出た。
そういえば昨日はソファに座ったまま寝ちゃったからしっかり睡眠をとれていない。
身体が重い気がする。
まだ明日も休みだが、少しだけ目を瞑ろう……






静かに玄関のドアを開ける。

時刻は十七時。
わざと帰る時間を引き伸ばした。
あれからファーストフードで遅めの昼食をとりながら引っ越し先を携帯で調べて過ごしたが、ご飯を炊くために帰ってきた。

玄関に入る前に耳を澄ますが、物音は聞こえない。
だが玄関に朝には無かった革靴を見つけると緊張が走る。

リビングのドアを開けると朝永さんはリビングのソファに部屋着姿で居た。
ソファから長い脚をはみ出させて寛いで携帯を見ていた。
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