Vanilla
気がついたら、見覚えのある天井が視界に。
ベッドの上だった。
カーテンから薄らと明るい日差しが漏れている。
一日ぶりに私の腰に巻き付く腕からそおっとすり抜けてベッドから静かに降りると記憶を探る。

キスをされ続けているところまでしか、記憶が無い……

急激に焦りを感じて、身体を見た。

朝永さんの長袖Tシャツとユニクロのスウェットズボンのパジャマになっていた。

着替えた記憶なんて無い。

朝永さんが勝手に着替えさせた……?

それともまさか、事後……?


サァーと青くなったところで、下腹部の不快感に気付く。

まだ生理中だった。
流石にこんな状態で襲わないよね。
流石に襲われたら起きるだろうし。
ちゃんと寝ていなかったのも相まったのだろう。
キスに翻弄された私は気を失ったようだ。
そう考えると少しホッとした。
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