Vanilla
『カサッ……』


そこに衣擦れの音が聞こえて、私は肩を竦めた。
横に居る朝永さんは気持ち良さそうに目を閉じたまま。

寝室が落ち着かなくて、私はリビングへ走った。

時刻を確認するとまだ朝の六時。
休みの日だし、食事はまだ用意しなくても大丈夫。

私はふと唇に指で触れる。


キス、止まらなかった。

私が起きていたら、抱くつもりだった?

でも私が生理なのは知ってるよね?

もし生理じゃ無かったら、私を抱いていたの……?


私は再びパニックに陥ると、急いでバスルームに走った。

昨日お風呂に入っていないのと、頭を冷やしたかったから。
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