Vanilla
「まだやってもいないのに先に謝るの?負けても俺は気にしないからね」

「私ガーターしか出さない自信あります」

変に自信満々に言うとまた笑う杉森さん。

「何その自信。じゃあ小嶋さんから投げて?俺がカバー出来るように頑張るから」

会話も投げかけてくれるし、気を遣ってくれて優しい杉森さん。

どこかの誰かさんとは大違い。

前にも思ったけれど、何で私は朝永さんを好きになっちゃったんだろうなんて、自分に疑念しか湧かない。

杉森さんに言われた通り、私が一投目を投げた。
予告通りのガーター。
私は杉森さんに何度も謝る。
杉森さんは気楽にやろうって笑顔で返してくれた。
朝永さんだったら絶対キレただろう。
でも朝永さんがボーリングする姿なんて想像出来ないけどね。
なんてまた朝永さんに置き換えながら杉森さんの背中を眺めていた私だが、球がピンを弾くと私は目を見開くしかない。
だって私が残したピンが全部見事に倒れたから。
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