Vanilla
『友達に訊いたな?自分で思い出せって言っただろ。それと思い出せって言った部分はそこじゃない』

不機嫌な声で聞こえてきた言葉に図星な私はビクッと身体を竦めた。

何故分かったのですか。
しかもそこじゃないと。

『飯はどうなってる』

焦っていると飛んできた言葉。
あ、もしかして夕飯作れるか気にして電話してくれたの?

「準備しましたから待ってます」

そう言うと『分かった。帰る』と返ってきて、電話を切るとふと思った。

ヤバい。
夫婦みたいな会話すぎて、余韻だけでも顔が勝手にニヤける。

が、すぐにハッとした。

期待するな私。

私は両頬をパチンと叩いて緩んだ顔を引き締めた。
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