Vanilla
それにこの繋がれている手だ。

告白された人にこの状況を見られるのは気まずさしか感じなくて、私は朝永さんから手を抜き取ろうと試みた。
だが繋がれている手を少し引いた瞬間、すぐに手に圧迫感が増して。

……抜き取れない。


「おはよ、杉森」

焦ったところに朝永さんが杉森さんに挨拶をした。
私のデスクに到着してしまった。

すると私に向いた杉森さんの視線。

気まずすぎて私は顔を逸らすと数秒後、「おはようございます」と小さな杉森さんの声が聞こえてきた。

……非常に、非常に、気まずい。

目を前に向けられない私。


「一昨日はつぐみが迷惑を掛けたな」

そこに朝永さんの声が聞こえてきた。

挨拶だけかと思っていた。

私は驚きすぎて弾かれるように朝永さんを思わず見た。
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