Vanilla
「髪やって」
私は今日はあえて昨日朝永さんの髪を乾かしたソファには座らずに、クイックルワイパーを持って掃除をしていた。
それなのに朝永さんはお風呂から出てくると、掃除をしている私を止めるように声を掛け、ドカッとソファの前に座って今日も髪を乾かせと要求してきた。
無視したら絶対怒られる。
仕方なく私はクイックルワイパーを壁に立て掛け、手を洗うとソファに向かう。
ドライヤーはご丁寧にコンセント差し込み済み。
「失礼します」と小声で呟くと朝永さんの後ろのソファに正座した。
正座したのは昨日みたいに座ると朝永さんを両足で挟まなきゃいけないから。
だって今日はソファに隙間なく凭れて座っているから。
苛立っても仕方ないし、昨日五分位で終わったんだし、さっさと終わらせよう。
スイッチを入れると朝永さんの髪にドライヤーを向ける。