Vanilla
「昨日のころ、覚えれないんれしゅか!?しょれろもわざろでしゅか!?」

私だけ振り回されているこの状況が腹が立って仕方ない。


『何言ってんのかさっぱりわかんねぇ。とりあえず酔いを覚ませ』

さっぱり分からないわけないでしょ!

落ち着いた声でとぼけて返されたことに苛々して、私は乱暴に目の前のビールジョッキを掴んだ。
横から「それ、俺の」なんて焦った声が聞こえてきたけれど、お構いなしにグビッとビールを流し込み、ダンっ!とジョッキをテーブルに戻した。


「答えれくれないなら、朝永しゃんのお家には二度ろ帰りましぇんから!」

私は思いのまま叫ぶ。
はぁはぁと息が切れるが、耳を必死に研ぎ澄ませる。
携帯からの声を聞き逃さないように。

だが数秒経っても返事は無い。

苛立ちが募り、身体は怒りから震えそう。

もう朝永さんなんて、どうでも良い!
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