Vanilla
「こっちに伸ばせよ」

こっちというのは、朝永さんの両側ですよね?
朝永さん、ソファに隙間なく凭れているから、朝永さんの言う通りにすると朝永さんを両足で挟まなきゃいけなくなるわけで。

「……」

答えあぐねいていたら、

「さっさとしろよ」

前に向き直していた朝永さんから苛々した声が届いてきて。

どうせ意識しているのは私だけ。
反抗したら朝永さんを苛つかせるだけだから従おう。

両脚を下ろすと、朝永の両腕と私の脚が触れ合う。
ジーンズを履いているから布越しだけれど緊張する。
でも意識してるのは私だけ。

また心の中で反芻しながらドライヤーのスイッチをつけた。


五分程で今日も乾かせた。
スイッチを切り、さっさと朝永さんから離れようとしたのだが、
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