Vanilla

「ヒュー！お熱い〜！どちらからの告白ですか！？」

更につっこむ愛佳ちゃん。

「これ以上は勘弁して下さい……」

すると恥ずかしさの限界なのか、顔を赤らめ、右手を顔の前に出して答えることを拒否した伊藤さん。

「来週のお二人の婚約パーティーで絶対訊かれますよ？練習しときましょ！」

「確かに。健正君、練習しとこ」

愛佳ちゃんの言葉に納得した穂香さんまで加わることに。

盛り上がる女性陣。
この前は質問責めで胃がキリキリしたが、今日は平穏に昼食を済ませられそうだ。
困っている伊藤さんには悪いけれど、愛佳ちゃんが居てくれて良かった！


「つぐみ」


名前を突然呼ばれてドキリとして反射的に左側の朝永さんへと振り向くと、

「お前、婚約パーティーに行くの？」

唐突に訊かれた。