Vanilla
だって更に張り詰めた空気にするとは思わなかった。
流石に目の前の穂香さんも目を見開いている。
きっと伊藤さんと愛佳ちゃんも。
「つぐみ、行くぞ」
そんな空気を無視して、朝永さんは突然そう言って。
朝永さんのトレーの魚焼き定食はいつの間にか消えていたが、私はまだ食べ終わってませんけど……?
トレーとお弁当箱の状況を確認していたら、朝永さんは私の食べかけのお弁当箱を勝手に蓋を閉じ、持ったままの箸も私の手から抜き取ると勝手に箸ケースに戻し、全てをお弁当袋に勝手に入れると、それを勝手に持って突然席から立ち上がり、最後に私の腕を掴んで強引に立ち上がらせた。
「お幸せに」
朝永さんは無表情で、思わず本心じゃないでしょとツッコミたくなるような心が込もっていない抑揚のない声。
皆絶対にポカンとしているに違いない。
私もそうだから。
だが朝永さんはそんな空気を気にすることなく自分のトレーを持つと、そこからあっさりと離れ、私の腕を掴んだままズンズン進む。
私は引き摺られていくだけ。
流石に目の前の穂香さんも目を見開いている。
きっと伊藤さんと愛佳ちゃんも。
「つぐみ、行くぞ」
そんな空気を無視して、朝永さんは突然そう言って。
朝永さんのトレーの魚焼き定食はいつの間にか消えていたが、私はまだ食べ終わってませんけど……?
トレーとお弁当箱の状況を確認していたら、朝永さんは私の食べかけのお弁当箱を勝手に蓋を閉じ、持ったままの箸も私の手から抜き取ると勝手に箸ケースに戻し、全てをお弁当袋に勝手に入れると、それを勝手に持って突然席から立ち上がり、最後に私の腕を掴んで強引に立ち上がらせた。
「お幸せに」
朝永さんは無表情で、思わず本心じゃないでしょとツッコミたくなるような心が込もっていない抑揚のない声。
皆絶対にポカンとしているに違いない。
私もそうだから。
だが朝永さんはそんな空気を気にすることなく自分のトレーを持つと、そこからあっさりと離れ、私の腕を掴んだままズンズン進む。
私は引き摺られていくだけ。