Vanilla
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「嫌いっ!大っ嫌いっ!」
気付いたら、私は何故か叫びながら朝永さんの家のベッドの上で泣いていた。
何故泣いているのかは分からない。
目の前に焦った顔をした朝永さんが立っていることに気付いた。
そんな表情をしている朝永さんはレアだが、こちらに伸びてきた朝永さんの手に気付くと私は何故か苛々して、その手を勢いよく弾いた。
すると不服そうにピクリと朝永さんの眉の端が上がり、いつもの不機嫌そうな朝永さんの顔に戻った。
「朝永しゃんには教えれあげないもん!」
プイッと顔を逸らした私。
何を教えるの?
というか私、呂律が何故か回っていない。
何で?
「言えよ」
呂律が回らない理由は分からないが、朝永さんの強い口調が気になって、私は逸らしていた顔を朝永さんに戻した。