Vanilla
「でも、女の所に行くとか、誕生日の日だって……」

「適当に言っただけ。誕生日はバーに行ったら、偶然アイツが来ただけ」


本当、なんだろうか。


「朝永さんの気持ちを教えて下さいっ!」

私は思い切ってストレートに訊いた。
だって確かめるまでは私は心を決められない。

目の前の朝永さんの瞳がぐらりと揺れる。

私は期待した瞳を朝永さんに向ける。


「……もう分かってんだろ」

朝永さんは私から逃げるように目を横に向けてボソリ。

ガクッと肩透かし。

ここまできてソレ!?


「朝永さんの口からちゃんと聞きたいんです!」

「……俺はもう言った」

ハイ!?

「何も聞いてませんよ!」


この期に及んで嘘をつくとは。

苛々して、私は繋がっている手を離して欲しくてブンブン振った。
離れてくれないし、朝永さんは全く堪える様子も無い。
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