Vanilla
「お前が勝手に忘れたんだろ」

それどころか、逃げていた目を細めて私を見る。
怒っているような雰囲気全開。

「そんな重要なこと、忘れるわけないじゃ無いですか!」

「実際忘れてる。というより覚えてなかった」

何故に貴方が怒るのよ。
私が責め立てているというのに。

「そんなの忘れるわけないし、覚えてないってどういうーーーー」

そこまで言い掛けて頭に過ぎる。

あの記憶を飛ばした次の日。
思い出せと言われた日。

そしてあの記憶が甦る。
あの夢の朝永さん。


「朝永さん……思い出せと言ったのは、あの酔っ払って迎えに来てくれた日のことですか……?」

「……そうだよ」

目は細いままだが、どこか期待を宿したような瞳。

あの告白してくれた夢の朝永さんに似ている。


まさか、あの夢……
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