Vanilla
朝永さんは私をずっと優しい瞳で見ていた。

意識を手放す直前、朝永さんがやっと私を好きだと言ってくれて、幸せな気持ちで目を閉じた。




気がついたら辺りは明るかった。
でも隣に朝永さんは居なくて。


昨日のは夢……?


焦って起き上がると自分が産まれたままの姿だと気付いた。
身体を見ると、素肌は愛された赤い形跡をたくさん見つけた。


夢じゃない。


ベッドの隅には、置いていった朝永さんのパジャマ用のトレーナーも見つけた。
その下には、私が着ていた下着とトレーナーとジーンズ。
それらを履くと部屋を出た。


「いつまで寝てんだよ」

リビングの扉を開けると挨拶すらせず、眉間に皺を寄せた不機嫌マックスな朝永さんがキッチンに立っていた。

甘さゼロ。
それよりも貴方が寝かせてくれなかったんですよ。


「座れ」

顎でくいっとテーブルをしゃくった。
私はジト目のまま座ると、テーブルに並んでいた食器に目を見開かされた。
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