Vanilla
「アイツは気に入った男を全部自分の物にしたい女だったんだよ」

「なにそれ、すご……」


私が見ていた穂香さんは本当の穂香さんじゃなかったのかな?

私には優しい人だったのに……


「つぐみ、早く食べろ」

穂香さんのことを考えていたら隣の朝永さんが言った。
朝永さんのトレーを見ると殆どなかった。
私は全然減っていない定食に集中して手を付けることにした。




「今日は何食べる?」

帰りのスーパー、カートを押していると隣の朝永さんが言った。

「まだ決めてませんが、カレー以外で」

「一緒に作るか」

唇を尖らせながら言うと朝永さんは笑いながら返した。


家に帰ると一緒にオムライスと野菜スープを作った。


「今日は先にどうぞ!私は一人で入りますから!」

私が強く言うと、朝永さんは不機嫌そうだったが先にお風呂に行ってくれた。
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