once again
私は、瑠璃がいる方へ歩いて行った。 大丈夫、私は大丈夫。

会見の机がある場所まで歩いた私は、瑠璃の横に並び前を向いた。
その瞬間、眩しいほどのフラッシュが焚かれた。

カシャカシャ

と、機械音が激しく耳にささった。
息を飲んだ、その時

「妹の涼香です。顔は似ていますが、妹は一般人です。私とは違い、普通の会社員をしています。質問はあるかと思いますが、必要以上の事を聞くのであれば、私に聞いて下さい」

瑠璃の優しさが伝わった。
妹には手を出すな、と。

「今、紹介を受けました。妹の高瀬涼香です。今回、写真に撮られたのは私です。姉の瑠璃は私のマンションに出入りしていたので、記者の方が私と間違えたのかもしれません」

淡々と進んでいく会見に、私の緊張もピークに達していた。

「じゃ、あの写真に撮られたのは、妹さんの相手だという事ですね?あの如月商事の専務さんで間違いはないんですね?」

きた。

「はい、そうです。私がお付き合いしている方です。この度、その如月蓮さんとの婚約が決まりました。誤解のないように、ここに来ていただいています」

私の発言を受けて、蓮さんが私の横に立ってくれた。

「私が、高瀬涼香さんの相手の如月蓮です。間違いなく、涼香さんが私の相手です」

そして、瑠璃が私からも発表があります、と自身の結婚を発表した。
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