恋・愛至上命令。
傷心を癒してくれた晶さんに、少なからず情が沸いたのだとしても。それははっきり凪を選ぶべきだとお母さんにも言われて。頭では整理できてる自分がちゃんといた。晶さんを傷付けたくないって気持ちは愛とは違う。分かってる。

『返事は次に会った時に』

だけど。この言葉が、お見合いを指して言ってたのだとしたら。晶さんは本当に本気だった。

お父さんから言われたのは、凪とこうなる前。その前から晶さんは決めてて、最後の賭けをしてる。わたしは晶さんを選べない。分かってるはずなのにどうして。まるで自分から傷口を広げて待ってるみたい、晶さんは・・・!

立てた膝に顔を埋めて、泣きたくなるような胸の痛みを堪える。

『俺を選んで』

今になってもっと心臓が抉られる。


晶さんはひどい。忘れたくても出来ない。きっとずっと残る、こんな跡の付け方するなんて。
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