君を借りてもいいですか?
「ど、どういうこと?これは…」

湊人がキッチンの上の大量にニンジンを目に前に顔を歪めた。

「見ての通りニンジン」

「そ、それはわかるよ。俺、ニンジン嫌いだって言ったよな」

私は大きく頷いた。

「知っているからこそ、私がここにいる間に嫌いなニンジンを克服してもらいます」

ドヤ顔で説明する私を見て、心底嫌だったのだろう回れ右をする湊人。

「いいんですよ?別に食べなくても……その代わり、私は家に帰ります」

すると湊人の足がピタッと止まった。

「それ本気?」

「もちろん本気」

湊人は肩でため息をすると渋々振り返った。

「わかったよ」

口を尖らせて投げやりな返事をする湊人はなんだか小さな男の子と同じ目をしていて可愛いくて微笑まずにはいられなかった。

だが、湊人には私のどんな仕草も面白くないのだろう。口を尖らせたままだった。

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