君を借りてもいいですか?
その後隣接する会場で披露宴が執り行われたのだが、私と圭子は香代から受付を頼まれ休む間も無く会場へと向かった。

「栞は挨拶してるだけでいいよ」

圭子が意味不明な事をう。理由尋ねると……

「こういうとこでの出会いは大事なのよ。ここで知り合った男性と仲良くなれば、もしいい人がいなくてもつてというオプションがつく場合があるんだから目を光らせて、気になる人は要チェックよ!」

「そ、そうなんだ…」

「そうよ!だから栞は笑顔を振りまいてウォッチングだけしていればいいから後は任せなさい」

隣に新郎側の受付をしている若い男性たちが圭子の話を聞いていたみたいで…「なんかすごいっすね」と同情される始末。

私は苦笑いするしかなかった。

そして披露宴が始まる20分前に一人の男性が現れた時だった。

私はちょうど下を向いていたのだが、圭子が私のワンピースを強く引っ張った。

「ちょっと!すごい人が来た!」

圭子の声はひそひそ声とは言い難い少し大きめの声でテンションが半端ない。

「何?」

今日は1日この手の話ばかりで少々うんざりしていた。正直、いい加減にして欲しいと思いながら顔をあげて固まった。

『あっ!』

目の前に立っている人と声が重なった。

その人は8か月前バーで引き出物をくれた、あのイケメンだった。
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