君を借りてもいいですか?
「うん。そうだね寝よっか」と言った直後に思い出したのはくっついた布団。いくら偽と言ってもこれはない。

「わ、私こっちで寝るので湊人がこの部屋使って」

「なんで?」

「なんでってありえないでしょ?私たちは恋人でもなんでもないのよ」

「そりゃそうだけど…だったら尚更となりどうしでも構わないんじゃなの?別にどうこうするわけじゃないわけだし」

確かにそうだけど…でも普通に考えたってありえない。

「だったら…布団を離して」

湊人は「わかった」と笑顔を向けると布団を離したのだが…

「これって離したうちには入らないよ」

どう見たって雑誌1冊分しか空いてない。

「なんで?これでも俺は譲歩したつもりだけど」

譲歩したという割には布団と布団の幅は隙間という言葉が合っている。

私的には布団一枚分ぐらいの隙間が欲しかったが、どっちも引く気配がない。

「じゃあこうしましょう」

私は自分の持っていたバッグを布団と布団の間に置いた。これが私の小さな抵抗だ。

すると湊人がクスクス笑いながら「わかったわかった」と言って先に布団に入った。

なんかすごく馬鹿にされたような感じで面白くないがいいのだ。

私は照明を落とすと湊人に背を向けるように布団に入った。
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