君を借りてもいいですか?
Lesson4・・・溺愛注意報
「もしもし?」

『あっ!出た。今日は休みなんだ〜』

私の休みは不定休だからこのやり取りはいつものこと。

「うん、今日はね。それよりどうした?」

『どうしたじゃないでしょ〜。あれから進展あった?』

あり過ぎるほどと言いたいところだが、この部屋の片付けが最優先。

「ぼちぼちかな〜」

今亜矢に、湊人のマンションに住むなんて話したらここまで話を聞きに来る予想しかできない。

『なんだ〜。とりあえず、来週雑誌が発売されるから、その報告と栞たちの進展具合も聞きたいから
来週会わない?』

「…わかった」

きっと驚くだろうな〜。と思いながら電話を切った。


この日から私と湊人の2人の生活が始まった。と言っても同棲ではないから寝室も別。

家事全般が壊滅的にダメな湊人から、特にあれはダメとかこれはダメと言われることは何もなく、
好きにさせてもらっているので、不自由はしていない。

作ったご飯は全部平らげてくれるし、時々スイーツを買って帰ってくることもある。

私も仕事が終わると、寄り道もせずマンションに帰る。

最初は不安しかなかったのに、今はそうでもなくてむしろこの生活に馴染んでいる自分に驚くばかりだ。
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