きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜

『う…わあぁ……っ』

その直後、前栽の方から声が聞こえてきた。

玄関のドアはシンちゃんによって、すでに開け放たれていた。

思わず外を見ると、うちの門扉の辺りで山田のおばちゃんが、こっちを向いてあんぐりと口を開けているではないか。

愛犬のミックスのモモちゃんと一緒に、毎朝お散歩するのがおばちゃんの日課だった。

……みっ、見られたっ⁉︎
しかも、よりによって、山田のおばちゃんにっ⁉︎

わたしの顔からは、火が噴き出していた。

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