突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜
「本当に……お気持ちはありがたいんですけれど」
わたしはもう一度丁寧に頭を下げた。
「でも……これから、どうするんですか?
おばあちゃんが遺してくれた今のおうちからは、とても通えないでしょう?
僕と結婚すれば、センターの規約で、夫婦でこんなに勤務地を離されることはないですよ?」
……そ、それは、そうだけれども。
「でも……本当に、そんなふうには考えられなくて……ごめんなさい」
わたしは頭を下げ続けた。
……わたしはなにも悪いことはしてないんだけどなぁ。