きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜
「……井筒さん、昨夜のことを謝りにきたんです」
……え?
「これで、あなたの前に現れることはありませんから、最後に話を聞いてくれませんか?」
……今さら、何の話があるというのだろう?
「井筒さん、あなたはまだ自分の『夫』の葛城 慎一が、萬年堂の営業部で働いてると思ってるんですよね?」
……いきなり、なにを言いだすんだろう?
わたしは怪訝な顔で、原さんを見た。