きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜

専務という職務に慣れるまでは色恋沙汰にうつつを抜かすわけにはいかず、気がつけばそれから二年の月日が経っていた。

その間、弟の謙二だけではなく、秘書の青井でさえも学生時代からつきあってきた子と結婚して女の子が生まれていた。

……腹立つ。

青井の娘は、青井の親父に似ればいいのだ。
なぜなら、ヤツの親父の顔はバカボンのパパにそっくりだからなのだ。
ちなみに、青井自身はムカつくことに、バカボンのママのように美しい母親似なのだ。

……いやいやいや。八つ当たりはいけない。

本当に腹立たしいのは、いつまでも彼女に声をかけあぐねている、

……自分自身だ。

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