きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜
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今日もなんとか時間を捻出してやってきた。

まぁ、青井の目を盗んで、なのだが。
……今頃ヤツはあわてふためいているだろう。

一応カムフラージュのために、澁澤 榮一の「雨夜譚」と、過去三年分の「ブルーバックス科学手帳」を手元に置いておく。

ちなみに、こんな蔵書の希薄な「図書室」で理系志望だった僕が興味の持てる本なんて、ブルーバックスくらいしかないし、すでに暗記するほど読んだ。

それから、カッコつけて澁澤の本なんて持ってきたけれど、こんなの読んだ日には五分で熟睡できる方に全財産賭けてもいい。


……目的はただ「彼女を見ること」だけだった。

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