今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
『今の状況は? 2分で説明しろ』
そう、この人こそが後に水瀬貴司と紹介される人物で、BARで会ったあの男だった。
『俺の話、聞いてるか? 早くしろ』
『え、はい、えっと――――』
藁にも縋る思い、とはこの事をいうのだと思う。
直感で、「今、この状況を助けてくれるのは彼しかいない」と思った私は、言われた通りに簡潔に状況を説明し、今すぐ現場に行かなきゃいけないことを伝えた。
『なるほど、分かった。俺も同行する』
『え!』
『いちいち驚くな、出かける前に急遽作って欲しいものがあるんだが時間がないから……。そこの人、頼めるか』
『あずちゃん、頼めるかな?』
『良いですけどぉ』
ちょうど手の空いてそうな後輩がいてくれて良かった。
そこから水瀬さんが運転する車で現場に向かい、その間、本部への連絡、エミノスさんへ謝罪の電話、江夏さんへのメールと忙しく動いた。
現場に着いてからも同じで、水瀬さんの指示通りにイベント会場のセッティングを調整して、既にスタンバイしていたエミノスさんのスタイリストさんたちと打ち合わせ。
用意できなかったモデルは、ショッピングモールにいたお客さんをスカウトすることで調整した。