今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


それに……。

水瀬さんと柴咲さんはプライベートでも会っている。あの時、あの東京駅にいた2人は、どう見ても上京してきた彼女と、それを迎えにきた彼氏だった。

柴咲さんには婚約者がいるって言うけど、そんなの安心の材料にはならないよ。


「――――高木?」


不意に顔を覗き込まれて、ぎょっとする。


「な、なに?」

「なんかお前、顔が赤くない?」

「え?」

「熱でもあるのか? 最近、風邪が流行ってるしな」

「まさか。だいじょうぶ……っくしょん」


ほらなって苦笑いする藤原から、ティッシュを貰う。

言われてみれば、体が熱っぽくて怠いような? 月のモノがそろそろだから、そのせいかなって気もするけど、疑った途端、喉も痛く感じる。


「医務室行って来いよ」

「いいよ、そんな大げさ。あとで栄養ドリンクでも飲むか、ら」


立ち上がった瞬間、フラついた。


「ほら、言わんこっちゃない」


こちら側に回って来た藤原に腕を掴まれ、とりあえずもう1度座れと、フラついた拍子に少し離れた位置に動いてしまった椅子まで歩かされる。

細いのに案外、力があるんだなと感心していたところ、会議室のドアが開き、水瀬さんが入って来た。

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