今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
嘘でしょ、信じられない。
慄く私の目の前を、これ見よがしに歩いて行く。
え、何がって? 黒くて、光ってて、カサカサ音がするアレですよ! 人の家に不法侵入しておきながら、堂々とした存在感を放つゴ〇キ〇リですよ!!
まさかこんな寒い時期に出るなんて、聞いてないよ。
うわー、すっごく目が合ってる(気がする)。
「と、とにかく殺らねば」
見てしまった以上、知らないフリはできない。
安心の暮らしを守るためにも、奴は天に召されてもらわないと!
そんな使命感からキッチンに置いてある物の下に殺虫剤を噴射する。行き場を無くせば奴だって観念するはずだと、格闘すること20分。
何とか奴を葬ることに成功した。
「やった……」
だが、後に残ったのは殺虫剤まみれになった床の惨状だ。随分派手にやってしまったと肩を落とす。
ああ、もうどうしてこんな時に限って昌也もユリヤも居ないのよ、と文句を言いながら周りを見渡してとスマホが無くなっていることに気が付いた。
そういや、私、電話の途中放り投げて――。
「え! 嘘っ」
スマホは、シンク台の中で水没していた。