今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
「あと1週間ください」
「分かった、3日だけな」
「提出期限は来週でしたよね!?」
「高木は追い込まれないとできないタイプだからな。今週末まで、それ以上は待たない」
悔しいけれど、当たっている。
確かに私は子供の頃から何事もギリギリにならないとお尻に火が付かないタイプだけどさぁ、そんな部下のことは全部把握してます、みたいな顔しなくてもいいじゃない。
そうやって発破をかければ、簡単に言うこと聞くと思ってるんでしょう?
「分かりました、金曜日までにやります。その代わり、企画が出来たらご褒美にデートしてください」
水瀬さんは少し目を丸くして。
どうしたものか思案するように、遠くに視線をやった。
長くなった灰を、トントンと、綺麗な指が落とす。
「……良い企画が書けたら、だぞ」
「えっ、ほんとですか!?」
「聞け。いい加減な企画だったら速攻で却下。ちゃんと作っていても出来が悪ければこの話は無しだ」
「私、絶対に良い企画を書きます!」
やった、信じられない、言ってみるもんだね。
まさか水瀬さんが頷いてくれるとは思わなかったけど、結果オーライ、デートに誘えた! あとは、頑張るだけだ。