今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


つくづく要領の悪いやつだ、と独り言ちる。

他のみんなは通常業務と並行して、自分の企画を作っているというのに、私はこのざま。毎日、残業してやっと人並みの仕事をこなせているかなって感じで。


【おーい、紗夜? みんな待ってるよー】

【早く来ないと食べ物無くなるぞー】


クリスマスだというのに、約束していた同期会にも参加できそうにない。

何がこんなんでできる部下アピールだ! 何が良い企画だ! 全然ダメじゃん、あと2日しかないのに、このままじゃデートどころか、呆れられてしまうよ。

――って、やりきる前に諦めてどうする。

要領の悪いさなんて今に始まったところじゃないし、ダメダメな企画しか作れないのも元からだ。それを分かった上で無理難題な提案をしたんだから。

当って砕けろでしょ、紗夜!


そう自分に喝を入れ直し、気分を変えるために飲み物を買いに行こうと席を立つ。すると、入り口のところに人が立っていることに気が付いた。


「何やってんだ、お前は」

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