マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「ま、待って!蓑島くん!」
「え?何で?」
引っ張られる手をグッと握って引っ張り返す。
「ん?」と、振り返られた。
「どした?入らないの?好きなんでしょ」
「あ、あの…」
まずい。
ここの店長さんとは結構仲良しで。
蓑島くんなんて連れて行ったものなら、さっきの理人くんの二の舞になる。
で、商店街の繋がりで、オトナたちの話題となり。
ゆくゆくは、サッカー少年団の部長や監督、コーチにまで話がいってしまう!
今の段階で、それはダメ!
…今の段階では。
しかし、そんな理由で入店を拒むなんて、蓑島くんに失礼にも程がある。
入店しない理由を、頭を絞って考える。
「あ…これからランチ食べるのに、パン食べたらお腹いっぱいになっちゃうし、太っちゃう…」
…らしくない言い訳だ。
言った後に、ほんの少し後悔する。
何?この、まるで乙女のような言い訳…!
太っちゃう?…いや、体重は気にしてますけど、キャラじゃない。
何を隠そう、昨年引退後のリハビリ中に、ここのパンを食べ過ぎて太ったのは言うまでもない。
体重気にしてるけど、キャラじゃない…!