マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



「かんぱーい」とグラスを掲げられ、私も慌ててペットボトルを持ち、グラスと合わせる。

お酒の匂いがフッと鼻を掠める。

だいぶ深い酔っ払いだ。



「えーと、せづきちゃん。せづきちゃん!…ゆらのババですぅー。これからもよろしくねー」

「は、はい!わ、私こそよろしくお願いします!」

頭をペコペコ下げると、菊乃さんはへらっと笑っている。

「いやー。ばあちゃん、本当に嬉しいの。ゆらにもちゃんとした女の子の友達がいたんだなぁ…なんてー。ゆらが『仲間だよ』って紹介する女の子の友達、初めてなのぉー!」

「…え?」


そう…だっけ?

友達、いなかったっけ?

…と、言われてみれば。横川さん、女子と歩いているの見たことないかも。

私は部活中の洗濯室や器材庫で会って立ち話をするぐらいで…。

それ以外は、一人か…蓑島くんと一緒にいるかも。



「私が言うとバババカになるけど、ゆら、あの子物凄く可愛い美人ちゃんでしょー?あ、あの顔は死んだ婿さんそっくりの美人顔なのよー!間違っても母親である私の娘の顔ではない!うっふふー」

「…え?死んだって…」

「加えてあんなツンとした悪い態度だし、いつも女の子に妬まれてケンカして…ゆら、うちにお友達連れてきたことなくてね…」

< 438 / 800 >

この作品をシェア

pagetop