先生。
私はこんなに怒ってるのに、嫉妬してるのに…
なのに先生は、優しくこんなこと言うもんね。
「泣くほど俺のこと好きなの」
「だから好きじゃな…」
「俺には全部、嫉妬しているようにしか聞こえないんだけど」
私の言葉を遮ってそういう先生は、さっきまでなかった余裕な感じを取り戻していた。
「違う!そんなんじゃ…」
「なんで服直さないの?俺のこと誘ってるんじゃなくて?」
そんなことすっかり忘れていて、ボタンに手をかけて止めようとした。
…のに、先生に抱きしめられるからそれが出来なくなる。
「あの子には数学教えただけだよ。だから機嫌なおして」
「機嫌…悪くないもん」
「ふっ。うん、そうだね?ごめんね?」
「…うざいほんと」
やっぱり私は子供で、先生は大人。
それが、こういう時に痛いほどわかる。
「でもさ、こういうのはもうやめて。俺離してあげられないって言ったよね?」