先生。
そう言う先生の腕の力がギュっと強まる。
こんなことするけど、こんな甘いこと言うけど、先生の心は変わらず彼女さんのもとにある。
それは、ずっと変わらない。
もちろんわかった上で、こうして先生の側にいるわけだけど。
もう、それ以上を望んだりしない。
先生が思わせぶりなのも十分わかった。
それを踏まえた上で、こんなことしてるの。
生徒と教師でも、恋人でもない曖昧な関係。
傷つくのは私なのに、それでも良いと思えるくらい先生が好きなの。
「だからこの身体も、もう潤だけのものじゃないってわかってるよね?」
優しくそう言う先生の手が、ゆっくりと背中を撫でる。
そこから火傷したみたいに、私の熱は広がる。
好きな人に触れられるとこんな風になるんだ。
「次こんなことしたら絶対許さないからね」