先生。


「うん、終わり」


「どうして…?寂しさを埋めるってそういうことじゃないの…?」





…ってなにこれ。


言ってから冷静に考えたら、まるでヤりたいみたいじゃん。





「そしたら俺、あの人とやってること同じになるじゃん。それに…誰も代わりにはなれない」





本当に上げて落とすのが得意っていうか。



私には俺のものとか言って縛り付けてくるくせに、いつも先生の心の中は‘‘あの人’’で埋まっている。


他の誰かじゃ代わりにならないくらいって、どんだけ好きなの。



敵わないじゃんそんなの。





「…今の忘れて。つい癖でヤるのかなって思っただけだから」





またニコっと笑って空元気を出した。


ブレザーとカバンを持って今度こそ部屋を出て行こうとした時、また先生に腕を掴まれる。

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