先生。
ああ、初めてあった日に見た、あの感じだ。
声と怒った顔のトーンが合っていないよ。
「夏目も座れ」
普段、苗字なんて呼ばれないから、先生の言葉が余計に冷たく感じだ。
自然に俯くけど、目が泳ぐ。
…先生は見たのかな。
そう思うと、どこから来るかわからない震えが襲った。
それからピリピリしたムードで授業が始まって、終わりまで先生以外は誰も話すことはなかった。
終了のチャイムが鳴ると、先生はさっさと帰ってしまう。
「司…ごめん…」
「あんなん事故だろ」
「そうだけど…」
「それより自分の心配しろよ。あいつすげぇ怒ってたけど」
司の言う通り。
もう、どうしていいかわかんないよ…