先生。


「やっぱり見たのかな…」


「わかんねぇけど、どっかのアホのおかげで何したかはバレちまったな」





心に重りを掛けられたみたい。


無意識にため息をついてしまう。



どうしよう…なんて考えてるうちに、時間は進み、あっという間に迎える下校時間。


あの様子だと、ちゃんと説明したところで、聞いてくれる気がしない…




家に帰って玄関で先生を待つ。


何度も説明する練習はしたけど、一向に帰って来る気配がない。



もう日にちもまたぎそうなそんな時間。


帰ってこないなんてこともあるのかな…?



そう思っていたら、玄関が開いた。





「先生!」





帰ってきてくれたことが嬉しくて、思わず駆け寄ると先生のスーツからタバコの匂いがした。





「なんで起きてんだよ。早く寝ろ」





そう、あからさまに冷たい口調。


…まだ怒ってるんだ。

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