先生。
リビングはきちんと片付けられていて、コンビニ弁当とかカップ麺のゴミすらない。
自炊しちゃったりしてんのかな。
だけど、違和感を覚えるのはすぐだった。
こういうのって歯ブラシとか見ればすぐわかる。
「ねえ、先生。洗面台どこ?」
「玄関入って2個目の扉」
言われた通り、私はそこを開けた。
…やっぱり。
そこには青とピンクの歯ブラシが並んでいる。
「先生ってさ、歯ブラシ2個使うの?」
そんなわけないよね?
「あー、彼女の」
…は?
普通にそう言っているけど、私は耳を疑った。
「彼女いるのに私と暮らすの?ますます意味わかんない」
「滅多に来ないし、来るとしても夜中だから」
いや、そういう問題じゃなくてさ。