先生。
司の家に着いたら、シャワーを借りてダボダボの服も借りた。
「ごめんね…」
「やっぱデカかったな」
話には触れず、そう笑顔で笑ってくれる。
「好きなだけここに居ろ」
「そんな顔にでてるかな…」
何も言わず、何も聞かず。
なのに司は、私の心を読み通す。
「あんな風に電話してくるなんて、何事かと思ったわ」
そう、笑って私の濡れた頭をくしゃくしゃっと撫でた。
いつか言ってた。
私は司のわんちゃんだって。
本当に、そうかもしれない。
「辛いなら俺のとこ逃げてこいよ」
司の言葉は大きくて温かくて、私の冷たくてちっぽけな感情を全て包み込んでくれるようだった。