先生。
だって司は、簡単に人を好きになったりしないもん。
それならもうそのまま、好きじゃないままでいてほしい。
私が呼べば、すぐに来てほしい。
ずっと、味方でいてほしい。
…なんて思う私は、本当にわがままで欲張りだよね。
「司…」
スースー寝息を立てる司のシャツをギュッと握った。
「1人にしないで…」
直接なんて言えない。
ワガママだなって、欲張りだなって、嫌われるのが怖い。
それから、私もまた少し眠って気づけば隣に司はいなかった。
慌ててパッと起き上がると、ワイシャツを着て、ネクタイを結んでいる彼がそこに立っている。
それに安心してホッと胸をなでおろすと。
「1人にするかよ」
なんて言ってくる。
なんだ…起きてたんだ。
「何の話?」