先生。


なんて思っていると、トントンと肩を叩かれた。





「なに?」


「教科書見せて」





なんだ、意外と普通に話すんだ。





「あ、うん。いいよ」





てっきり俺様でクール系なんだと思い込んでいた。





「名前は?」


「夏目潤」


「潤ね」


「私はなんて呼べばいい?」


「司でいいよ」





机をくっつけて、コソコソ声で話す私たち。


まるで小学生に戻ったみたいだった。





「なんで今の時期に転入?」


「親父がこっちで会社立ち上げたから」


「うわー、金持ちだ?」


「立花グループ知ってる?」


「え、めちゃくちゃ有名じゃんそれ」


「そ。それ俺の親父」





「へえ〜」なんて相づちを打つけど、こういう人間ってなにも悩まずに生きてきたんだろうな、なんて思ったりもする。


正直言って羨ましい。

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