先生。
「お前ら聞いてんの?」
司との話に夢中になっていた私は、先生がこっちに来ることにすら気づかなかった。
そして、よりによって譲先生なんてね。
その後はしっかり怒られて、2人で居残りで掃除もさせられてた。
「あの喫煙野郎…」
「え、あいつタバコ吸うの」
「うん。めちゃくちゃ吸うよ」
司から聞いてきたくせに、私が返事をしたら、それを無視して窓の外をボーッと見つめる。
「何見てんの?」
「カップル」
「なんで?」
「奇跡だなって」
そう言う司の横顔は、とても綺麗で、何かを思っている表情だった。
「好きな人と付き合えるってすごくね?普通に」
「それが普通じゃないの?好きだから付き合ってんじゃないの?」
「お前、恋したことないだろ?」