先生。
「きゃっ…」
「女の子なんだから気をつけなきゃ。ね?」
「はい…ごめんなさい」
いつまでくっ付いてるの。
離れてよ。
そう思うのに足が動いてくれない。
「心配だな。なんか悪い男につかまりそう」
「…え?」
「ふふ、とにかく気をつけて」
それを見てただ私を支配したのは、敗北感だった。
来なきゃよかった。
素直に言うこと聞いて帰ってればよかった。
「この後会議があるからここまでで。わからないことあったら何でも聞いてね」
「はい、ありがとうございました」
だけど、後悔した頃にはもう遅い。
先生がこっちに来るのがわかって、慌てて階段近くの死角に隠れた。
……はずなのに。
「で。潤ちゃんはなにしてんの?」